産後骨盤矯正の必要？不必要？

産後骨盤矯正は賛否両論

産後の骨盤矯正は最近では産院でも勧められる所が増えてきましたが、産後骨盤矯正の歴史はまだ浅く、賛否が分かれている施術でもあります。

骨盤とは動かない関節であり、動かない関節である以上歪みや捻じれが起こることはない。と言う事が今までの通説でした。

しかし近年様々な治療法や検査法により、微細な歪みや捻じれが起こりうると考える施術者が増える事により、産後の骨盤の矯正が必要であると言う考え方が浸透してきました。

人間の体は非常によくできた精密機械のようなもので、無駄なものや機能はほとんどないと考えられています。

右の図のように骨盤とは様々な骨の複合体で、関節が存在します。関節とは動くために体の機能として必要な場所に存在しているため、骨盤に関節が存在する以上動かないという定理には少し無理が生じます。

ただ、骨盤にある関節は強靭な靱帯に守られており、動く範囲は他の関節に比べ、3mm程と非常に小さく、この事が骨盤は歪まないと言われる理由となっております。

骨盤に存在する仙腸関節は「平面関節」に分類され、骨の小さな凹凸によって可動する為、動く範囲は非常に軽微です。

これは仙腸関節の主な役割が肩関節のような運動ではなく、二足歩行を行った際の地面から伝わる衝撃の吸収にあるからです。

整体の骨盤矯正の観点では、この凹凸のかみ合わせが何らかの衝撃や動きによってズレてしまい、ちょうどボタンのかけ間違いのような状態を生んでしまった箇所を「歪み」や「捻じれ」と表現し、地面から伝わる衝撃をうまく吸収出来なくなってしまったがゆえに起こる「痛み」や「違和感」を解消することを目的とします。

こういった学ぶ分野の違いや固定概念から、矯正の賛否両論が分かれる理由になります。

産前産後はリラキシンというホルモンの影響で、骨盤の靱帯が緩み、骨盤内の空間を広くできるように変化していきます。産後この状態を矯正せずに放置する事によって、前述した「ボタンの掛け違い」が整復されず、「痛み」や「違和感」「体型の変化」を起こしてしまうと考えます。

骨盤のサポーターや産後ベルトはあくまでも”現状の保全”もしくは”負荷の軽減”を目的とされている事が多く、歪みの起こった関節を高いレベルで元に戻す効果があるものは、知りうる限りではまだ見たことがなく、産後の骨盤矯正は必要ではないかと考えます。

インターネットの普及により、現代では様々な情報が簡単に手に入るようになりましたが、情報の精査が一個人に委ねられている事も事実です。

様々な意見や見解を理解し、自身で納得のいく方法を選ぶことも重要になり、整体を行う店舗も非常に増えている為、自身の体を預ける施術者の選別には、より慎重に行うことが大切かと思います。